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Conさんは自ら宣伝を行うことがないため、ときには間違った情報が出回ることがあります。そこで、CON-tributeでは出来る限り正しい情報を調べてお伝えしたいと思います。

●「シュトックハウゼンの弟子」は誤り

Conさんがシュトックハウゼンから音楽を教わったという話は誤りです。この話は、海外の雑誌に掲載された記事がきっかけで広がったようです。

●ヨゼフ・ボイスとの関係

2人が知り合ったきっかけは、ヨゼフ・ボイスが1961年にデュッセルドルフ美術アカデミーの彫刻科の教授に就任したときに、Conさんが生徒の1人としてクラスに入ったことです。Conさんによると、彼は当初、別の老教授のクラスにいたけれど、そこが気に入らなかったそうです。そのタイミングでボイスが教授となり生徒を募集し始めたため、Conさんはすぐにボイスのクラスに移りたいとの希望を出したそうです。その時点で新任のボイスにはまだ生徒がいなかったため、結果的に、誰よりも先にボイスのクラスに入ることとなりました。したがって、「ヨゼフ・ボイスの最初の生徒」という伝説は真実だそうです。

なお、「1964年にボイスがクラスを一般開放して誰でも受講できるようになったとき、Conさんは生徒になった。」という話もありますが、こちらは誤りです。Conさんに確認したところ、1964年にはすでにデュッセルドルフからベルリンに移っていたそうです。

関連項目:コンラッド・シュニッツラーとヨゼフ・ボイスとの出逢い

●KlusterとCluster

「KlusterからConさんが脱退し、残ったローデリウスとメビウスがClusterを続けた。」のは誤りです。真実は、ローデリウスとメビウスがKlusterを脱退してClusterという別グループを作った、ということだそうです。Conさんは、その後もWolfgang SeidelやKlaus Freudigmannといった別のメンバーとKlusterを続けました。つまり、ClusterはKlusterから派生したグループで、2つが同時に存在したわけです。

●Conさんの誕生日

本人による公式アナウンスは「1937生まれ」です。誕生日は非公開とのことです。なお、Tangerine Dreamの『Electronic Meditation』、オリジナル盤の内ジャケットに、彼の誕生日は「1月27日」と示唆するような記載がありますが、本人に確認したところ、それは誤りとのことです。

コンラッド・シュニッツラーのベスト盤は果たして存在するのでしょうか。

答はYESです。プライベート・リリース盤の『00/224 Con Selection』(2005年作成)には、バラエティーに富んだ作風の全16曲が収録されています。

Con Selection

また、Conさんのミックス作品をリリースしているJon Tylerさんが選曲した、以下の2つのセレクション盤が2008年にリリースされています。

00/540 Jon Tyler Selection
00/540

・00/574 Jon Tyler Selection - Emily's Dream
00/574

なお、2015年に、正式リリース盤としては初めてのセレクション盤となる『KOLLEKTION 5: CONRAD SCHNITZLER compiled by THOMAS FEHLMANN』がリリースされました。



SD No.105

4月19日発売の『ストレンジ・デイズ』2008年6月号(No.105)に、コンラッド・シュニッツラーの最新インタビューが掲載されます。「アーリー・セルフ・プロダクト・シリーズ」の各作品についても言及しています。
英語版クラウトロックの百科事典、"The Crack In The Cosmic Egg"は長らく入手困難となっていましたが、2007年12月20日にCD-ROM版で再発されました。内容もさらに充実し、1177組のアーティストによる、2500枚のアルバム(シングル、コンピレーション等除く)の情報の他、希少盤やポスター、写真などの画像、インタビュー、オーディオ・ビデオのデータなど盛り沢山な内容です。すでに4000部以上売れているそうです。



リリース元: ULTIMA THULE(英国)
主な購入先: ULTIMA THULE(英国)

Conrad Schnitzlerの情報については、プライベート・リリースのカセット作品の画像までもがいくつか掲載されていて驚かされます。さらに、このCD-ROMのリリース元自体が過去にリリースしたConさんの作品の中から、以下のMP3データが収録されています。

Conrad Schnitzler / 1-11-84 (カセットのコンピレーション『A CAGE WENT IN SEARCH OF A BIRD』に収録。後にCD-Rで再発。 )
Con-Hertz / Face On Radio (カセット『Face On Radio』に収録。Con-HertzはConrad SchnitzlerとWolfgang Hertzのユニット。)

なお、先行予約の特典にはコンピレーションCDが2枚含まれますが、その中の1枚に"Con-Hertz / The Fourth Reich"(カセット『Face On Radio』に収録。)が入っていました。


コンラッド・シュニッツラーのオフィシャル・サイトは2つあります。

・一つは本サイトです。

・もう一つはwww.conrad-schnitzler.deですが、Conさんの動向が気になる方は定期的に見に行くことをお勧めします。新しい発見があるかも。


※以下のテキストの原文は、ここに掲載する目的でコンラッド・シュニッツラーより送られてきました。

フリー・アート

クラウトロックとフリーロックの伝説的な人物コンラッド・シュニッツラーのピアノ作品がベルリンで聴ける

オリジナル・ドイツ語テキスト:Wolfgang Seidel
ドイツ語からの英訳:Franco Toma
英語からの日本語意訳:Jin
オリジナルの出版:Jungle World 21号 - 2004年5月12日

コンラッド・シュニッツラーの好きな話の一つにグレン・グールドの話があります。この著名なピアノの大家が自ら作曲したものは世間から失望の対象とされています。なぜならば、彼が作曲したものは、どれもこれも、彼が今まで練習を積み重ねてきた他の偉大な作曲家達のフレーズになってしまっているからです。このような問題は、まったく音楽教育を受けていないコンラッド・シュニッツラーには無縁です。彼はピアノの素晴らしさを発見すると、音の世界を長期に渡って探検し出しました。その探検は、例えて言うならば、自分自身で描き上げた地図や手作りの方位磁石を頼りにして行われたようなものです。この探検を綴った大叙事詩は、1950年代初頭に機械の見習い工であったところから始まります。
続きを読むにはここをクリックしてください。


コンラッド・シュニッツラーは、元々は彫刻家として活動していて、ファイン・アートの世界では、ちょっと知られた存在だったそうです。

その後、1960年代にベルリンに移った後は、フルクサス・ムーブメントの影響により「マルチプル」に適した音楽に転向したわけですが、彼は「ミュージシャン」ではなく、「インターメディア・ライフ・アーティスト」を自称しています。つまり、生活そのものがアートであり、音楽は彼のアートの一部という位置づけです。そういえば、LP/CD『CON』(再発盤CD『Ballet Statique』)のジャケット裏面には「INTERMEDIA-LIFE-ACTION」と書かれていて、パフォーマンスの白黒写真が何枚か掲載されています。(以下のイメージを参照。)彼はインタビューの中で、食事の支度をしているときさえもがアートなんだと発言していたことがあります。

Intermedia-life-action

彼は、一つのメディアで培った経験や手法を別のメディアにも応用することにより、「インターメディア・アート」を実践しています。なお、彼はインターメディアとミクストメディアの区別ははっきりと付けていて、彼の意図する「インターメディア・アート」においては、メディア同士は完全に切り離されます。逆に、自分の音楽に映像を付けたようなものは、取るに足らないものだと考えているようです。

ところで、最近のConさんは、アートとかアーティストといった言葉を自分に対しては意識的に使用しなくなりました。自分がやっているのはアートではなく「ノイズ」で、自分自身はアーティストではなく「コンポーザー」という言い方をしています。これは、プロは目指していないという姿勢から来ています。彼は「プロフェッショナルなことはやらない。ただし、少しはプロフェッショナルかもしれないが。」といった言い方をしています。


以下は、コンラッド・シュニッツラーのボーカル付きの曲が収録されている作品です。

・『Con3

Con3

全9曲ボーカル付きの味わい深いポップ・アルバム。

・EP『Auf dem schwarzen Kanal

Auf Dem Schwarzen Kanal

ビートを利かせたノリ重視の作品全4曲。

・EP『Russians are Coming

Berlin Express

息子グレゴール・シュニッツラーの曲をフィーチャーしたと思われるパンク・ニューウェーブな作品。

・『Conrad und Sohn

Conrad und Sohn

Side1は息子グレゴール・シュニッツラーの曲が並んでいますが、曲調は、パンク/ニューウエーブ路線です。2、3、4、5曲目がボーカル曲で、すべてグレゴール自身が歌っていると思われます。Side2はコンラッド・シュニッツラーの曲が並んでいますが、陽気でポップな5曲目に、テープの早回しのボーカルが付いています。

・Conrad Schnitzler & Michael Otto / LP『Micon In Italia



"Sage Mir"(A面2曲目)はボーカル付きの曲です。ヨーロッパの哀愁を感じさせるような作風で、仄かにポップなエッセンスが入っています。ただし、ドラムやパーカッションの音は入っていません。このLPはMichael Ottoとの共作で、他にもWolfgang Hertz(Conさんとカセットテープ作品の共作がある)が参加していますが、この曲のクレジットはConさん作曲となっています。

その他、「ボン」という声のサンプリングを使用したA面9曲目"Poco Prima"、「ホゥーン、ワッ、ワッ」というヴォーカルを繰り返すB面1曲目"Wa H öooa"、曲に合わせてスキャットというか鼻歌のように歌うB面5曲目"Rosso Rapido"が収録されています。これらは、歌ものというよりも、声を楽器のように使用している感じです。

・Conrad Schnitzler & Gen Ken Montgomery / LP『ConGen: New Dramatic Electronic Music

ConGen

A面5曲目"We take chances"はボーカル曲です。ドラムやパーカッションの音は入っていませんが、適度に跳ねたリズムはかなりポップです。ボーカルはGen Kenによるものです。なお、LP『Congratulacion』にはこの曲のインストルメンタル・バージョンが2つ収録されています。

その他、話し声のサンプルを用いたA面1曲目"My Father's House"、言葉の断片をサンプリングしたA面3曲目"Oh Gott!"、赤ちゃんの泣き声を用いたA面8曲目"Ear Cry"など、歌ものとは呼べない「声」を使った曲がいくつか収録されています。

・CD『Con』リマスター再発盤

Con

2006年にリリースされたリマスター盤のボーナス・トラックのうち、7曲目"Nuri"は女性ボーカルをフィーチャーした、しっとりとしたアコースティックな作品。ボーカルは、歌うだけではなく語りっぽい箇所もあります。バッキングのピアノ音が、ときどき、当たり前のように不協和音になったりするところが、とてもConさんらしいです。タイトルのNuriは女性ボーカリストの名前。

・MC90(B面)/CD-R『Container T12

T12

全10曲。作品全体のクレジットはConrad Schnitzlerとなっていますが、Conさんに確認したところ、実際には、息子グレゴール・シュニッツラーとの共作とのことです。内容は、他の共作である『Conrad & Sohn』や『Russians are coming』とは異なり、非常にポップでノイエ・ドイチェ・ヴェレのような歌ものです。ただし、実際にはノイエ・ドイチェ・ヴェレのブーム以前に制作されているため、時代を先取りした感があります。なお、中にはギターのバッキングが入る曲もあります。(4、7曲目のみインストゥルメンタル。)ボーカルは、ほとんどグレゴールによるものと思われますが、ファンキーな2曲目のドイツ語ラップは、Conさんの声と思われます。なお、曲によっては、Conさんらしいスペイシーな音がミックスされているものがあります。(トラック7のテープ音は、LP/CD『Con』、CD『Ballet Statique』に収録されている「Electric garden」に使用されているものと同じです。)ところで、「80'sワークス・シリーズ」のまとめ買い特典のCD『Berlin Express/The Russians Are Coming』に収録されている"Roofmusic"は、実質上、本作品と同じ内容です。

(おまけ1)

・『Blau

Blau

ボーカル曲というわけではありませんが、2曲目"Jupiter"の後半部分で「ウーウーウーウーウー」と繰り返し鼻歌のようなヴォーカルが入ります。

(おまけ2)

・Conrad Schnitzler & Giancarlo Toniutti /LP『кулáк (camma)

Кулáк (Camma)

B面の中程に、まるでグレゴリア聖歌の一節を思わせるかのような歌が繰り返し流れる箇所があります。また、A面の最後に短い語りがあります。

(おまけ3)

・CD『Contakt

Contakt

6曲目に、サンプリングによる語りの断片が入っています。マーチ風の音楽に乗せて、やや控えめな音量で何かを連呼しています。
Joseph Beuys

ヨゼフ・ボイス(Joseph Beuys: 1921年5月12日~1986年1月23日)は、戦後最大の芸術家とまで評価されている人です。そのボイスとConさんは交流がありました。

知り合ったきっかけは、ボイスが1961年にデュッセルドルフ美術アカデミーKunstakademie Düsseldorfの彫刻科の教授に就任したときに、生徒の1人として講義に出席したことです。デュッセルドルフ美術アカデミーはボイスの母校で、Conさんの故郷もたまたまデュッセルドルフだったのも、何かの縁だったのかもしれません。ボイスは、Conさんが作った彫刻をすべて気に入ったそうです。

Conさんは、ボイスから芸術的な影響はほとんど受けなかったそうで、ボイスに対しての接し方も、先生と生徒の関係というより、共に物事を学ぶ仲間といった感覚だったようです。Conさんがベルリンに移った後も、ボイスはConさんを訪ねに来ました。Conさんが出資したクラブZodiakにもボイスは訪れています。

椅子Tate

私は、ボイスとConさんのそれぞれの芸術には、以下のようないくつかの共通点があると見ています。

●常に変化する作風

ボイス: 温度によって変形する脂肪(!)や温めるためのフェルトといった素材をしばしば作品に用いていました。

Conさん: その瞬間、瞬間、物事は常に変化していることを好んで表現しています。

●「すべての人は芸術家」という信念

ボイス: 「すべての人は芸術家でなければならない」といったシラーの思想を礎に、社会が発展するためにはすべての人が創造的であらねばならず、そのために故意に人に刺激を与えて人間性を高めるような芸術を目指していたようです。1970年代末以降には平和政党「Die Grünen(緑の党)」に深く関わり、「社会彫刻」のキーワードに表わされるように、自らの芸術を社会にまで発展させていきました。(なお、Conさんに確認したところ、LP『Grün』は「Die Grünen(緑の党)」とは無関係だそうです。)ところで、「社会彫刻」の代表的なものとして"7000 Oaks(7000本の樫の木)"という木を植える運動がありますが、当時、西武がボイスを日本に招いて「ヨーゼフ・ボイス展」を開催するために、ギャラとして樫の木500本分を負担したことが知られています。

Conさん: ボイスと同様、「すべての人は芸術家である」という信念を持ち、インタビューにおいても「人間は刺激を与えないと駄目なんだ。」などといった発言を以前していたことがあります。

※Conさんは、その後、この考えに疑問を持つようになりました。プロのアーティストは、プロでない人とは明らかにやり方が違う、と思うようになったそうです。

●パフォーマンス

ボイス: 受け手の反応をその場で間近に感じ取ることができる芸術の一つの形態として、数多くのパフォーマンスをおこないました。例えば、「コヨーテ 私はアメリカが好き、アメリカも私が好き(1974)」では、米国のギャラリーで3日間コヨーテと暮らすパフォーマンスを行いました。米国の空港に到着後、ギャラリーまではフェルトに包まれながら救急車(!)で搬送されるという念の入りようで、要するに、コヨーテ(ネイティブ・アメリカンの象徴)がいるギャラリーの中とその行き来以外、現代の米国には一切接しないといったわけです。その他、私が気に入っているパフォーマンスの写真は、自然に囲まれた水場にボイスが服のまま首までつかり、トレードマークの帽子を被った顔が水面からちょこんと出ているといったものです。このパフォーマンスの真意は分かりませんが、水面から出た彼の表情が、日常生活となんら変わりないと言いたげなほど、あまりにも平然としているところが目を惹き付けます。(この写真は『評伝 ヨーゼフ・ボイス』(美術出版社)に掲載されています。)

Conさん: インターメディア・アートの一要素として、ギャラリー、室内、路上などでパフォーマンスを行っていたことが知られています。今日、それらの一部はビデオやDVDで見ることができます。

おまけ:

Conさんのプライベート作品「00/094 Rudel」のジャケット・カバー・アートは、ヨゼフ・ボイスの作品"Das Rudel"(1969年)の写真を加工したものです。

Rudel
コンラッド・シュニッツラー「00/094 Rudel」

Das Rudel
ヨゼフ・ボイス "Das Rudel"

ヨゼフ・ボイスについてもっと知りたい方へ:

ヨゼフ・ボイス(Wikipedia)

●現在入手可能なお勧めの本: 菅原 教夫 (著)『ボイスから始まる』(五柳叢書)

●国内の美術館: 清里現代美術館にはヨゼフ・ボイスの日本で最大のコレクションがあるそうです。

Conさんのプライベート・リリースからのセレクション、CD3枚組『Trigger Trilogy』のリリース記念として、Conさんのプライベート・リリースについての説明である「インフォメーション・アバウトCONミュージック」を和訳しました。

ソロ・トラックについて
私は、コレクターである私の友人達に膨大なコレクションを注文する機会を与えるだけでなく、音楽を通してクリエイティブになってもらうことに、さらに関心がある。ソロ・トラックは特に、組み合わせて新しい音楽を作ることを可能にする。
続きを読むにはここをクリックしてください。



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