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2006年9/21の夜(ドイツ時間)、ベルリンのWAUで"Populaere Mechanik"のライブがありました。開催場所のWAUは、かつて、1969年にコンラッド・シュニッツラー等が出資したクラブ、Zodiak Free Arts Labだったところです。

WAU
WAU (写真はWolfgang Seidelさんご提供)

関連項目: YouTubeより:Zodiak
Wolfgang Seidelさんは、コンラッド・シュニッツラー関連の映像を(freeartlabの名前で)YouTubeに投稿していますが、元々の目的は、以下のMySpaceのページに映像を掲載するためとのことです。これらのページでは、他にもWolfgang Seidelさんのプロジェクトについての情報が掲載されています。

・sequenza: www.myspace.com/spacemechanic
・FreeArtsLab: www.myspace.com/freeartslab

Conさんから私宛の私信メールですが、自身の音楽についての考えなどが詳しく記載されていて、とても興味深い内容です。私個人で独り占めするのはもったいないと思い、メールの抜粋を掲載することにしました。(本人より掲載許可を得ています。)


コンラッド・シュニッツラー、自らの音楽を語る(メールより抜粋)
(2006年3月19日 Conrad Schnitzler、日本語意訳:Jin)

音楽の世界にある音楽理論に自分自身を対峙させて、反音楽理論的な作品を作ることはあったが、逆に、音楽理論を自分の作品に取り込んだり、音楽理論の影響を自分の作品に及ぼしたりしようとは思わない。また、自分の聴衆にも、音楽理論越しに、自分の音の世界に足を踏み入れて欲しくはない。
私は、自分のあらゆる感覚を用いて作曲しており、美学的な基準には従っていない。
単に、自分自身による自由な判断、そして、その時点で私が持ち得る技術的な可能性が、私の作品を決定付ける。
多くの場合、私が創作したものは、試行錯誤の末、現実のものとなる。(続きを読むにはここをクリックしてください。
Conさんの音楽作品には、ごく普通にプレイヤーで再生して聴くだけでは済まされないものがあります。以下は具体例です。

●LP/CD『Consequenz

Consequenz

Wolfgang "Sequenza" Seidelとコラボレートし、プライベート・リリースで500部リリースされた本作では、リスナーに歌を付けてもらい、録音したテープを送ってもらうよう呼びかけました。なお、実際にテープを送って来たうちの一人がジェン・ケン・モンゴメリー~Gen Ken Montgomeryで、後にLP『ConGen』でコラボレートしたり、"カセット・コン・サート"でコンダクター役を行ったりと、密なつき合いをするきっかけとなりました。また、De Fabriekも本作を元にしたカセット『Fabrieks Conseqensus』をリリースしていますが、その後、De Fabriek名義のLP『Labish Intermediariës』およびCD-R『Labische Intermediaries II - 20 Golden Kraut Hits』にConさんが参加しています。

●4枚組CD-Rボックス『5.5.85』、CD『Wondelconcert BOX



5.5.85』は、手作りの箱に入ったCD-R4枚組の作品です。それぞれのCD-Rには音の素材が収録されていて、コン・サートのときに、コンダクター役の人が、これらの音源をミックスして使用することができるようになっています。コンダクター役は、Conさん本人である必要はなく、他の人達がミックスを行うことを提唱しています。例えば、ジェン・ケン・モンゴメリーは、『5.5.85』の音源を用いて、実際に何度かコン・サートを開催しています。リスナーも同様に、これらの音源をミックスして、独自にコン・サートを開くことができるというわけです。例えば、Conさんの説明をそのまま引用すると、4人の友達がCDプレイヤーやミキサーといった機材を各自で持ち寄り、CD-Rの音源をミックスすることによって、新しい音楽が創造されるといった感じです。

Wondelconcert BOX

Wondelconcert BOX』は、CD『CONVICTION』のプライベート・リリース盤である『00/341 WANDELCONCERT』およびミックス前の各ソロ・トラックを収録した00/331、00/334、00/337、00/340の、計CD-R5枚組のボックスセットです。『5.5.85』と同様、リスナーが独自にミックスして楽しむことを提唱しています。




なお、Conさんのプライベート・リリースのCD-Rの中には、他にもSolo Voice(単一の音色)を収録したものが多数あります。これらは、そのまま聴くこともできますが、『5.5.85』のようにコン・サート用の素材となったり、『Wondelconcert BOX』のソロ・トラックのCDのように、他の作品のための音源としても用いられます。

●カセット『The Red Cassette』 (再発盤: LP『Zug』)

多人数で同時に曲を鳴らすことを要望し、Conさんの友人であるローリー・アンダーソンの手により関連イベントが開かれたこともありました。以下は、Matt Howarthによる想像図です。「1000人が1000台のラジカセを手にして」のようなことが書かれています。(画像はConさんご提供。)

Cassetten fuer alle
Cassetten für alle (すべての人にカセットを)

●『Grün』、『Con3

GrunCon3

LP『Grün』のB面"Bis Die Blaue Blume Blüht"(青い花が開くまで)は、33回転、45回転の好きな方で聴くことができるようになっています。(CD『Grün』には両方のバージョンが収録されています。)また、LP『Con3』も同様、33回転で普通に聴くだけでなく、45回転で聴くことを提唱しています。
今までに開催されたCon-Certの写真集です。(写真はすべてConさんご提供です。)

2 weeks CON-CERT for Player  Piano
"2 weeks CON-CERT for Player Piano"

Galerie Con-Cert
Galerie Con-Cert

6 Solo tracks  in Art Exposition
6 Solo tracks in Art Exposition

Action  Mix
Action Mix

Action Mix  detail
Action Mix detail

Summer  Con-Cert
Summer Con-Cert

【関連項目】

Conrad SchnitzlerのCon-Cert写真集2

コン・サートとは
英国の音楽雑誌『Wire』2006年5月号(ISSUE267)にConさんの特集記事が6ページに渡って掲載されています。内容としては、彼の過去から現在までを割と幅広く、数枚の写真を交えながら紹介しています。コピーライトの都合上、具体的なことについてここには書きませんが、彼の生活ぶりや奥さんのコメントなども紹介されています。

英語の雑誌ではありますが、Wireのホームページで日本からも購入できましたので、ご参考まで。
Wolfgang Sequenza
Wolfgang "Sequenza" Seidelさん。ConさんのCD Con-Certにて。(写真はConさんご提供。)

Wolfgang "Sequenza" Seidelさんから以下の寄稿文を送っていただきました。彼はConさんの長年の友人で、Con作品の作成にも度々関わっています。寄稿文の内容はConさんを知る上で非常に興味深く、彼が音楽を始めるまでの経緯などが詳しく記されています。

Wolfgang "Sequenza" Seidelさん、Conrad Schnitzlerを語る
(2006年4月16日 Wolfgang "Sequenza" Seidel、日本語意訳:Jin)

ときに夢は現実となることがあります ― 時間はそれなりに掛かったとしても。コンラッド・シュニッツラーの夢の中心には「すべての人はアーティストである」といった信念があります。これは、単に、すべての人にアーティストの才能があることを意味しているのではありません。アートをプロデュースして、なおかつそれを配給する手段は、誰にでも手の届く範囲にあるべきで、限られた人の特権であってはならないのです。コンラッド・シュニッツラーが初期の頃に関わっていた音楽プロジェクト (Geraeusche、Human Being、Kluster) は、集団での即興にこだわったもので、手の届く範囲にある物品は、すべて音楽のための楽器として使われました。シュニッツラーは常に低予算でやっていて、レコードを自主制作したり、カセットで自分の音楽を配給し始めた最初の一人でした。(続きを読むにはここをクリックしてください。



Die Cassetten-Orgel 1980

1980年、コンConさんはパリで「エレベータ・パフォーマンス」を行いました。これは、12台のテープレコーダーにより構成された"カセット・レコーダー・オルガン"をエレベータ内に仕込み、音楽を作り出すパフォーマンスのようです。(画像はConさんご提供。)

なお、ピクチャー・レコードのLP『Zug』のB面で使用されている写真も「エレベータ・パフォーマンス」のときのものと思われます。
Zug

メールのやりとりの中で、コンラッド・シュニッツラーから伝言を頼まれました。

内容を要約すると、彼のプライベート・リリースのCD-Rリストは、第三者にコピーを送ったり、ネット上で公開するのはご遠慮くださいとのことです。

というのも、過去に作成されたリストは、内容が古くなっているだけでなく、今は存在しないCD-Rも含まれているため、Conさんは過去のリストのコピーが出回ることを好まないのだそうです。個人のホームページなどで公開している方も、速やかに取り下げていただくようお願いします。

※その後、メールのやりとりの過程で、Conさん監修のもとに最新のパーフェクト・リストを作ることを依頼されました。現在、コンラッド・シュニッツラー作品リストとして公開しています。
Conさんは芸術家としての人生を貫いていると言っていいと思います。富や名声とは無関係なベクトルで活動している、現代社会に置いては希有な存在です。彼は友達のために作品を作るといったスタンスで、今日においても精力的に作品を発表し続けています。

彼は、レコード会社からのリリースとは別に、プライベートで大量CD-R作品をリリースしています。以下は、プライベート・リリースのCD-Rリストに記載されていた2001年の声明文を和訳したものです。

声明文 コンラッド・シュニッツラー 2001:
生まれたのは1937年。
アイボリー・タワーに住んでいる。
自分のホームタウンから離れたことは一度もない。
「ラール・プール・ラール(芸術のための芸術)」をやっている。
一般受けするような人気は不要だ。
質問に答えるのは好きじゃない。
友達には敬意を払っている。
友達とは、私の音楽を愛し、そのために快くお金を払ってくれる人達のことだ。
友達のために、私は自分の時間を掛けている。
友達のために、自分の音楽をプロデュースしているが、それはどの店でも扱っていないCD-Rでだ。(*)
!!!!! 特別サービスとして、自分の音楽をCDで友達に送っている !!!!!

*注: その後、Conさんのプライベート・リリースのCD-Rの一部は、以下の国内のショップでも扱うようになりました。
メカノ
Popmusik Records

(以下は原文です。)

STATEMENT CONRAD SCHNITZLER 2001:
Born in 1937
I live in my ivory tower.
I never leave my hometown.
I do l'art pour l'art.
I don't need popularity.
I don't like to answer questions.
I respect my friends.
My friends are those,who love my music and are willing to pay for it.
For my friends I spend my time.
For my friends I produce my music, that is not available in any shop, on
CDR's.
!!!!!As a special service I send CDs of my music to friends .!!!!!



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