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Windvogel

リリース数: 500
リリース元: Waystyx (2009年2月11日)
日本での配給元: キャプテントリップ・レコーズ (2009年5月30日) ※日本語解説・オビ付き
主な購入先: アマゾン HMV

1-15

CD『Windvogel』は、2009年2月11日にロシア・モスクワのwaystyxレーベルよりリリースされました。タイトルのWindvogelは凧を意味します。ジャケットは、タイトルのイメージを膨らませた特別仕様になっていて、以下のように展開すると凧の形になります。
Windvogel

約61分にわたる本エレクトロニクス作品は、15のエピソードにより構成されています。始まりは、なだらかなサウンドの上に乗っかった、細かく刻むシークエンスです。ところが、3トラック目では一転して、ダンスフロア向けのビートに変わります。かと思えば、リズムがない幻想的でダークなエピソードもあり、その後、再びシークエンスが走るエピソードへと進みます。さらに、これ以上細かくできないくらい細やかな、まるで流れるミシンのようなリズムのエピソードになったと思ったら、14トラック目では、ほんの少しアシッドハウスのエッセンスまで入った、かっこいいベースのシークエンスのエピソードまで現れます。やはり、Conさんの音の世界は一筋縄ではいかないです。

本作は、プライベート・リリース『00/187 Windvögel』の正式リリース版です。余談ですが、正式版のタイトルは単数形で、ジャケットの装丁通り1つの凧ですが、プライベート・リリースのタイトルは複数形となっていて、ジャケットにも複数の凧が描かれています。
Windvoegel
00/187 Windvögel

なお、正式版のリリース前に33部のみプレスされた、赤ジャケットのテスト・プレス盤も存在します。
Windvogel

日本では、2009年5月30日にCD『ヴィントフォーゲル』が、キャプテントリップ・レコーズより日本語解説・オビ付き仕様の完全限定盤で国内配給されています。


リリース元: Bureau B (BB355 2021年1月22日)
主な購入先: アマゾン(CD) アマゾン(LP)
試聴: Bureau B

Paracon 1-10

本リリースはConさんが1978~1979年にパラゴン・スタジオで録音した未発表作品で、2021年1月22日にCD/LP/デジタルでドイツのBureau Bよりリリースされました。Conさんが残したメモによると、スタジオでシンセをテストするために録音した音素材「Para 1」を、Conさん自身がミックスしたものです。あくまでもテスト目的のため、プライベートリリースでも過去にリリースされたことはありません。パラゴン・スタジオの作品というと、『Con』の他、『Auf Dem Schwarzen Kanal』や『Con3』、『Berlin Express』といった聴きやすい歌ものを思い浮かべがちですが、本作はまったく異なる作風です。試聴もできるので、ぜひ聞いてみてください。
【目次】

オリジナル盤LP『SILVER』
プライベート・リリース版CD-R『SILVER』
CD/LP/DL再発盤『SILBER』

===================================================

●オリジナル盤LP『SILVER』



リリース元: QBICO (2009年1月29日)

Side A:
1.
2.

Side B:
1.
2.
3.

1974-1975年の未発表作品5曲を収録した180グラム重量盤のLP。クリスタル色またはブルーのカラー・レコード。CD『GOLD』と同様、友人宅で録音された音源によるもので、友人によってテープが保管されていました。Conさんによれば、2003年にMARGINAL TALENTから『GOLD』がリリースされた当時、当初の予定では、同時期に本作品もリリースする計画でしたが、予算の都合で見送ることとなったそうです。その作品が、ついに2009年にリリースされました。

●プライベート・リリース版CD-R『SILVER』



プライベート・リリース

1-8

こちらは、オリジナル盤LPとは曲順が異なります。(1曲目=LPのB3、2曲目=LPのA1、3曲目=LPのA2、4曲目=LPのB1、5曲目=LPのB2)また、6~8曲目は、同時期の1974-1975年に制作された未発表のボーナス・トラックです。なお、前の曲がフェードアウトで終わるのにクロスさせて、次の曲が(曲間を空けずに)始まるといった、オリジナル盤LPとは異なる趣向が見られます。

注目すべきは、ボーナストラックの8曲目に、当時まだ珍しかったシーケンサーが使用されていることです。(タンジェリン・ドリームが、1974年リリースの『Phaedra』よりシーケンサーを導入しているのは、よく知られた話ですが、この8曲目でも同系統の音色のシークエンスが使用されています。そういえば、Conさんは「クリスは本当にいい奴だ。」というコメントを残しています。)

●CD/LP/DL再発盤『SILBER』



リリース元: Bureau B (BB 149) (2013年11月8日)
主な購入先: アマゾン(CD) アマゾン(LP) HMV(CD) HMV(LP)
試聴: Bureau B

2013年11月8日、『SILVER』が、ドイツ語の『SILBER』のタイトルの元、デジパック仕様のCD、180グラムLPおよびダウンロードで、ドイツのBureau Bレーベルより再発されました。ライナーノートが付く他、CDR版と同様、3つのボーナス・トラックが収録されています。(CD・LP共に同じトラック数です。)また、CDR版とはマスタリングが異なります。

●オリジナル 12''EP版『Rare tracks 1979 - 1982 Re-Edited』

Rare tracks 1979 - 1982

リリース元: Erkrankung (2008年8月14日)

A. Auf dem Schwarzen Kanal
AA. The 4:08 To Paris
B. Tanze Im Regen
BB. Elektroklang

本リリースは、Conさんのポップな4曲をDJ マヌー~Moonerが再編集・リミックスしたEPで、Mooner自身が運営するレーベルErkrankungより2008年にリリースされました。Moonerによると、完成までになんと1年以上掛かった労作とのこと。Aは『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』からの選曲。AAはBerlin Express名義の『The Russians Are Coming』からのレアな選曲。Bは『Con3』からの選曲。BBは『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』からの選曲で、ノンストップなループ・トラック。A面は45回転で、B面は33回転です。

本EPの最初の250枚は、限定でConさんのサイン入りミニカード付きですが、このカードに記載されているURLにアクセスして暗証コードを入力すると、全曲分のMP3を無料でダウンロードできるようになっています。(詳しいやり方はアクセス先のURLに表示されます。)

なお、MP3版のダウンロード販売も別途行われています。

#DJ Moonerは、Zombie Nationというグループのメンバーとして活動していた頃に『Kernkraft 400』がヨーロッパでヒットしたことで知られています。なお、彼は2008年9月下旬にPOLLYesterと一緒に来日し、東京でライブとDJを行なった他、日本のテレビ番組にも出演しました。来日中、会ってお話ししましたが、とても気さくな人でした。

●アマゾン オンデマンドCD-R『Rare tracks 1979 - 1982 Re-Edited』

Rare tracks 1979 - 1982

リリース元: Erkrankung (2015年12月27日)
購入先: アマゾン(CD-R)

1. Auf dem schwarzen Kanal (Dompteur Mooner Edit) 4:50
2. The 4:08 To Paris (Dompteur Mooner Edit) 3:41
3. Tanze im Regen (Dompteur Mooner Edit) 6:03
4. Elektroklang (Loop) 0:41

本リリースは、アマゾンが販売するオンデマンドCD-Rです。なお、4トラック目は、オリジナルEP版ではエンドレス・ループですが、本CD-R版ではループが何度か繰り返されるよう編集されています。(MP3版も同様です。)
00/346+00/380: Mixes 2

リリース元: Orac Records (2008年6月2日)
主な購入先: アマゾン(ダウンロード・MP3) boomkat(ダウンロード・MP3/FLAC)

A1: Conrad Schnitzler mix (7:08)
A2: 00/380.13 (4:15)
B1: Thomas Fehlmann mix (8:59)
B2: 00/346.10 (3:09)

コンラッド・シュニッツラーの作品をダンス・ミュージックのプロデューサーがミックスするシリーズ。00/346+00/380: Mixes 1に続く第2弾の本作では、プライベートリリース00/380と00/346をConさん本人とトーマス・フェルマンがミックス。Conさんが自らミックスしたA1 "Conrad Schnitzler mix"は、コン・サートのコンセプトに基づく、いつもの彼のスタイルによるもので、アグレッシブで緊張感のある、かっこいいミックスに仕上がっています。

ご参考までに、本リリースの翌年2009年に制作されたプライベート・リリース作品『00/618 MonPti』は、本作品と同様に00/346と00/380をミックスした作品で、ずばり傑作です。本リリースのA1そのものは含まれていませんが、15トラック目のエピソードが近い感じです。

00/618
00/618 MonPti (Mix Solos 1-30 (346+380 wg.Randy))

なお、トーマス・フェルマンのミックスはダンスフロアー向けです。彼は、Conさんが1979年にハンブルク造形美術大学で講義を行ない、2枚組LP『DAS IST SCHÖNHEIT』を制作したときの生徒でもあります。第1弾と同様、当初、12インチ・アナログディスクでリリースされましたが、その後、ダウンロード版もリリースされました。(主な購入先のうちboomkatでは、MP3の他、高音質なロスレス・フォーマットのFLACも選択できます。)

※関連項目: 00/346+00/380: Mixes 1
00/346+00/380: Mixes 1

リリース元: Orac Records (2008年4月14日)
主な購入先: アマゾン(ダウンロード・MP3) boomkat(ダウンロード・MP3/FLAC)

A1: Bruno Pronsato mix (7:26)
A2: 00/380.10 (4:39)
B1: Dandy Jack and the Queen of Mars mix (11:18)
B2: 00/346.04 (2:59)

2008年の本リリースは、コンラッド・シュニッツラーの作品をダンス・ミュージックのプロデューサーがミックスするシリーズの第1弾です。本作では、プライベートリリース00/380と00/346をBruno PronsatoDandy Jack and the Queen of Marsがミックスしています。
当初、12インチ・アナログディスクでリリースされましたが、その後、ダウンロード版も購入可能になりました。(主な購入先のうちboomkatでは、MP3の他、高音質なロスレス・フォーマットのFLACも、ダウンロード購入の際に選択できます。)

以下は、本ミックス作品に使用されている2作のプライベートリリースです。

00/380
プライベートリリース 00/380 SOLOHAUS (Solo Electrics)

00/346
プライベートリリース 00/346 StrokMan (Solo Sq.Rhythmics)

※関連項目: 00/346+00/380: Mixes 2

MIC & CON 07

リリース元: Real Vine Music RVM 03 (2007年6月26日)
試聴: Mi.T.-CONのMySpaceページ
購入先: Michael Thomas Roe

A (6:08)
B (9:59)
C (13:44)
D1 (5:04)
D2 (4:59)
D3 (5:01)
D4 (4:59)
D5 (4:34)
E (14:37)

本作は、ConさんとMichael Thomas Roeのコラボレーションによる第3弾、CD-R『MIC & CON 07』です。作風は第1弾に近いですが、実は結構リズミックであることが本作の特徴です。トラックBは、途中から挿入され延々と繰り返されるビートが印象的で、「Tomorrow never knows」を思い起こさせます。
【目次】

オリジナル盤EP『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』
CD-R『CON 3』再発盤 (MECANO独占販売)
CD『CON 2+』リマスター盤
コンピレーション 『Deutsche Elektronische Musik』
再発盤EP/DL『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』、2020年8月28日リリースされました!

===================================================

●オリジナル盤EP『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』



リリース元: RCA (PC 5908 1980年)

side one:
1. Auf Dem Schwarzen Kanal (3:13)
2. Fabrik (3:57)
side two:
1. Der Wagen Der Rollt (3:21)
2. Elektroklang (4:00)

Conさんが『Con2』とも呼んでいた本作『Auf dem schwarzen Kanal』は、RCAの「スーパー・サウンド・シングル ディスコ・リミックス」シリーズの1タイトルとして、プロデューサーにジャズミュージシャンのUlli A. Rützelを迎え、1980年にリリースされました。”ディスコ・リミックス”の名のとおり、収録された4曲はいずれもビートを利かせたノリ重視の曲で、4曲すべてConさんのボーカル付きです。4曲目の"Elektroklang"は、なんと7拍子です。

本作には、ポップではない他のCon作品で使用されているようなサウンドが、効果音として随所に盛り込まれています。なお、"Fabrik"と"Elektroklang"はヴォルフガング・ザイデルさんとの共作となっています。("Fabrik"の別バージョン2つが、ザイデルさんのバンドPopuläre Mechanikのカセット作品『no 2』に収録されていて、それらはPopuläre Mechanikの編集盤CD/LP『KOLLEKTION 03』にも収録されています。また、"Elektroklang"の短いリミックス・バージョンが、カセット作品『Sequenza』に"oh"として収録されています。)

●CD-R『CON 3』再発盤 (MECANO独占販売)

Con3

MECANO独占販売のCD-R『CON 3』には、『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』全4曲が収録されています。なお、オリジナルEP盤とはバージョン/ミックスが異なります。

●CD『CON 2+』リマスター盤

Con 2+

CON 2+』には、『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』全4曲が収録されています。(CD-R版と同しバージョンです。)

●コンピレーション 『Deutsche Elektronische Musik



2010年にリリースされたコンピレーションDeutsche Elektronische Musikには、タイトル曲の"Auf Dem Schwarzen Kanal"が収録されています。(オリジナルEP盤のバージョンです。)

●再発盤EP/DL『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』、2020年8月28日リリースされました!



リリース元: Bureau B (BB357 2020年8月28日)
主な購入先: アマゾン ドイツTapete Records(EP【最初の200枚は限定クリアビニール】) ドイツHHV (EP【限定白ビニール】) Bandcamp(デジタルダウンロード)

A1. Auf dem schwarzen Kanal
A2. Fabrik
B1. Der Wagen rollt
B2. Elektroklang

2020年8月28日、再発盤『AUF DEM SCHWARZEN KANAL』が12'' EP/ダウンロードで、ドイツのBureau Bレーベルよりリリースされました。バージョンはCD-R版と同じです。また、クレジットには記載されていませんが、WAVファイルやサウンドを比較した限り、リマスター音源で、音質は格別に向上しています。今回、CDでのリリースはないため、デジタルで聴きたい場合はダウンロード版をご利用ください。(WAV形式も提供されています。)
なお、EPの最初の200枚はクリアビニールの限定盤レコードで、BureauBレーベル直轄のTapete Records(ドイツ)で取り扱っています。またさらに、HHV(ドイツ)では300枚限定で白ビニール盤EPを販売中です。(2020年9月3日入荷。)

※限定クリアビニール盤:


※限定白ビニール盤:

Trigger Trilogy

リリース元: Important Records ( IMPREC114 2006年10月24日)
リリース数: 1000
主な購入先: アマゾン HMV

TRIGGER ONE: Solo Rhythmics 00/328
1. 5:07
2. 3:25
3. 3:34
4. 5:17
5. 3:24
6. 4:06
7. 3:12
8. 3:45
9. 3:42
10. 5:29
11. 3:21
12. 5:07
13. 5:32
14. 5:31

TRIGGER TWO: Mix Solos 00/341
1. 7:54
2. 2:08
3. 1:44
4. 3:56
5. 3:47
6. 3:13
7. 3:30
8. 3:10
9. 3:33
10. 3:21
11. 3:46
12. 3:05
13. 1:52
14. 2:21
15. 2:16
16. 2:27
17. 3:35
18. 4:32

TRIGGER THREE: Con-Cert 00/345
1. 4:07
2. 3:54
3. 3:23
4. 3:29
5. 3:31
6. 3:33
7. 3:25
8. 4:05
9. 3:49
10. 3:36
11. 3:24
12. 3:37
13. 3:36
14. 4:06
15. 3:32
16. 3:58

2006年にImportant Recordsよりリリースされた3枚組CD「Trigger Trilogy」は、Conさんの数あるプライベートリリースの中から選ばれた、タイプの異なる3作品(トリガー1~3)により構成されてます。Conさんのプライベートリリースの活動を理解するのに役立つ好企画で、特に、トリガー1のようなソロ・ボイス作品が正式リリースされることはあまりないため貴重と言えます。

トリガー1は、Conさんがソロ・ボイス(Solo Voice)と呼ぶ形態のものです。これは、本来は作品を構成する1トラックとなるべきものを、敢えて1トラックだけで単体の作品としたものです。ただし、1トラックといっても単音が入っているだけとは限らず、ごく少数の音源からなる作品である場合もあります。ソロ・ボイスの特徴は、存在感のある音の固まりを、その細部の微妙なニュアンスまでも聴き取ることができることです。実際、ソロ・ボイスを注意深く聴いていると、非常に小さな音が入っていることに気づく場合があります。いずれは他のトラックとミックスされ、作品の一部となったときに、それらの小さな音は他の音に埋もれて聞こえなくなってしまうか、または、他の音と合わさって、異なるニュアンスのものに変貌してしまいます。

本リリースのトリガー1に収録されたソロ・ボイスは、エレクトリック・シークエンス、またはリズム隊が中心となっています。全体的に、程々にテンポが速いものが多いです。また、割と素直で、唐突な不協和音がなく、切れのいい音色を多用していることもあり、かなり聴きやすい部類に入ると思います。とはいえ、「聴きやすい=薄っぺらい」ということではなく、ユニークで存在感のある音の固まりは、強い主張を醸し出しているように感じ取れます。なお、プライベート・リリースのCDR『00/324 Testbild』には、本作品に収録されているソロ・ボイスに他のサウンドがミックスされたトラックが数曲収録されています。

トリガー2の00/341は、以下の作品としてリリースされたこともあります。
・CD『Conviction
・プライベート・リリースのCD『00/341 Wandelconcert』(『Wandelconcert BOX』に収録)

トリガー3の00/345は、いわゆるコン・サート作品です。

以下の、リリース元からの情報(意訳)も併せてご参照ください。

”Trigger Trilogy ”は、彼の膨大なプライベート・リリース作品から選ばれたCD3枚組です。いずれも、彼独特のユニークなコンセプトに基づく音源です。これらの作品から、彼がドイツ国内だけでなく世界中の、後に続く世代のアーティストに影響を与えていることを計り知ることができるだけでなく、今日のモダンな音楽の中に彼の影響がいかにもたらされているかを確認することができます。さらに明らかなのは、彼が思慮深く賢明で、音の世界において完全なだけでなく、パイオニアとして自由な活動を行っているということです。

トリガー1は、 彼がソロ・ボイスまたはソロ・エレクトロニクスと呼ぶ形態のもので、ここではリズミカルなエレクトロニクス作品となっています。伝統的な音楽において、メロディー・ラインはアンサンブルの一部であるため、その音本来の印象は残りません。彼は、音をソロ・ボイスとして解放して、音に本来の姿であるノイズ、トーン、サウンドを与えます。さらに、彼は複数の音を重ね合わせたり、ミックスして場を形成することにより、新しい次元を創造しています。それは、個々の音が同期のために協調を強いられたり、指揮棒に合わせて奏でられたりすることのない音の世界です。結果として、ここでは音楽理論にまったく固執しない音のコンビネーションが実現しています。

トリガー2は、彼がフリー・コンサート ミックス・ソロと呼んでいるものです。以下は、コンラッド・シュニッツラー自身による解説です:

「ソロからミックスへ、メロディー・ラインからアンサンブルへと積み重ねられた音は、互いに反発することなく均等がとれており、それらの音は自由にエネルギーが飛び交う演奏によって同時に進行していく音符の固まり(クラスター)となる。ソロ・ボイスのミックスによって生み出されるものは、音符やノイズの集合体、絡まり合い、圧縮、音の群れ、破綻してめちゃくちゃになった音、驚異的な音響。個々の音が持つ個性は、音全体のカオスの中に吸収されていき、そこに不鮮明な状態で存在することとなる。音楽的な展開は、アンサンブルやそのバリエーションの中で、個々の音が醸し出す雰囲気によって浮かび上がってくる形となる。音のシークエンスが溢れ出すと、音符によって形成されるタイトさやルーズさが浮き彫りとなり、それによってテンポが変わり、ボリュームや音の強弱、そして音のパターンの移り変わりによる表現が変化していくのである。混沌とした音は明らかな変化を起こし、自ずと感じ取れるまでになってくる。不明瞭な状態のものは、ソロ・ボイスによってまとまりを持つようになるが、その結果、スカスカで未完成な作品が創り出されることになる。そこに含まれるものは、エピソードに富んだシークエンス音、環境的なものとの結びつき、他処の様式に基づくデバイス、そして自然とテクノロジーの相互作用である。」

トリガー3はTrigger Trilogy最後のディスクで、コン・サート(Con-Cert)が収録されています。これは、彼がしばらくの間取り組み続けている、伝統とも言えるものです。従来はカセットでしたが、現在はCDを用いて、録音された複数の音を同時に流しながらその場でミックスしていきます。そのサウンドは、意図的にデザインされ、形成され、構築され、各トラックが互いに特異な関連性を保ちながら曲となっていきます。

「新しいテクノロジーによって新しい音を無限に創造できうる時代においては、音をクリアーに表現するためにも新しい技術が必要となるが、テープやCD、コンピュータのハードディスクがその具体例といえる。過去において、私は自分のコンサートを創り出すために、昔ながらのカセットを用いたが、今はCDに録音して、コンサートに用いることができる。それは改善された音質のおかげだ。各トラックは音の開始点を調節しているが、秒単位で調整できるので、それによって異なる結果をもたらすことができる。個々のトラックの音量は、会場の音響に合わせて調節することとなるため、結果としてオーディエンスは、会場によって異なる音を体験することになる。」
コンラッド・シュニッツラー

※原文(英語): Conrad Schnitzler / Trigger Trilogy
Klavierhelm

リリース数: 1000
リリース元: Important Records (IMPREC113 2006年10月24日)
主な購入先: アマゾン HMV

1.5:55
2. 4:43
3. 6:19
4. 4:42
5. 4:37
6. 4:26
7. 7:13
8. 6:15
9. 7:15
10. 8:14

本CDは、2006年にリリースされたConさんのピアノ作品" Klavierhelm "(「ピアノ・ヘルメット」の意)です。発売元のImportant Recordsによる紹介文には、「この自由で表現力豊かな作品は、エリック・サティ、ジョン・ケージ、セシル・テイラー、そしてカール・スターリングにまで通じるものがある。」と記載されています。なお、クレジットにはありませんが、Conさん本人に確認したところ、本作品はプライベート・リリース00/101 Pia Player with Helmetの正式リリース版とのことです。また、ジャケットのデザインもConさん自身によるものです。

※原文(英語): Conrad Schnitzler / Klavierhelm



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